
11月28日に全国公開されたヒューマンサスペンス映画「ナイトフラワー」を観ました。
劇中で出てくる一夜花の「ナイトフラワー」は月下美人のことなのでしょうか。
月下美人の花は夕方から咲き始めて夜に咲き、朝にはしぼんでしまう花。
月下美人の花言葉は「儚い美」「儚い恋」「艶やかな美人」「ただ一度だけ会いたくて」
この作品のラストは観客に委ねられる余白を残していて、人によってとらえ方が違うようです。
「ナイトフラワー」の花言葉の意味を私なりに解釈し、映画を観終えたときのラストは涙を忘れました。
あまりに悲しい不幸な現実が次々と起こるので、感情が追いつかなかったのかしれません。
あれだけ不幸が重なったら耐えられるだろうか。
少なくとも普通の精神状態を保つことは難しいかもしれない。
涙が出なかったのはその現実を受け止めきれていない自分がいたのかなと思います。
観終わった後、映画の余韻と共に感情の整理をしたくなりました。
ラストの解釈はいくつか考えることができ、捉え方によってはハッピーエンド?にも見えるかもしれませんが、私はそうは解釈しませんでした。
でも最後の場面の描写、あの終わり方は良かったと思いました。
【ナイトフラワーのあらすじ|キャスト|上映時間】
主なキャストは
・永島夏希(北川景子)
・芳井多摩恵(森田望智)
・池田海(佐久間大介)
・サトウ(渋谷龍太)
・岩倉(渋川清彦)
・柳一郎(池内博之)
・星崎みゆき(田中麗奈)
・多田真司(光石研)
上映時間は124分
監督・脚本は内田英治
借金取りに追われ、二人の子供を抱えて東京へ逃げてきたシングルマザーの夏希。
昼夜問わず必死に働いても明日の食べ物に困る生活を送っていました。
ある日、夜の街でドラッグの密売現場に遭遇した夏希は、自らも売人になることを決意します。
心に深い孤独を感じていた格闘家の多摩恵と出会い、夏希のボディガード役になることに。
そしてさらに危険な取引に手を伸ばすことになります。
ある女子大学生の死をきっかけに夏希と多摩恵の運命は大きく動き出すことになります。
【ナイトフラワー|映画考察】

母親から生まれない人はいないように、様々な境遇はあれど誰にでも母親はいます。
母親の愛情とは無条件に子供へ向けられるもの。
この作品に出てくる人物達は「母親」に対して何かトラウマのようなものを持っていると思いました。
夏希が心の底から放った言葉
「この子達に未来を見せたいねん!」
望んでいた未来を子供達に見せてあげられたのでしょうか。
ラストから考えると、悲しいけれど見せてあげられなかったと私は解釈しました。
追い詰められてしまった母親の愛情は他人がどうなろうと子供のためなら何でもできてしまう。
自分の子供の夢を叶えてあげたい気持ちは親である私もよくわかります。
でもドラッグの売人という違法行為は危険とリスクを伴うことはもちろんのこと、子供を守り切れるとはとても思えません。
違法行為の裏で悲しむ人達がいる。
多摩恵の試合を夏希と子供達が観戦していたシーンで、血だらけになっている多摩恵を見ていられなくなった夏希に子供が
「ママ、ちゃんと見ないとダメだよ」
と言ったのですが、この言葉も印象的で、現実をちゃんと受け止めて見ないとダメだよって言っているように聞こえました。
子供のほうがちゃんと現実を受け止めて母親が頑張っていることも知りながら自分でできることを一生懸命にして負けないで強く生きていようとしているように見えました。
子供達は母親がドラッグの売人をやっていることを知らず、母親の愛情をまっすぐに受け止めている。
あの拳銃は誰に向けられたのか。
3つの質問は何だったのか。
なぜ昼にナイトフラワーが咲いていたのか。
この作品のラストがハッピーエンドだとしても、ドラッグの売人を続けている限り本当に幸せにはなれないと思うのです。
ナイトフラワーに出てくる母親達の愛情は、痛々しく切ないけれど強くて優しい、ドラッグの売人という仕事を選択しなければ、簡単ではないかもしれないけれど、この家族はきっと幸せになれたんだろうなと思いました。
子役の子も含め俳優さん達の迫真の演技も素晴らしかったです。
第50回報知映画賞の主演女優賞に北川景子さん、助演女優賞に森田望智さんが受賞された作品にもなります。
映画を観終わった後、誰かと語り合いたくなる映画です。